I. 事案の概要

 本件は、セメント等の輸送会社を営む被告 長澤運輸株式会社(以下「被告」又は「控訴人」といいます。)を60歳で定年退職した後に、被告との間で1年間の有期労働契約(以下「本件有期労働契約」といいます。)を締結して嘱託社員として再雇用された原告(以下「原告」又は「被控訴人」といいます。)ら3名が、被告に対して原告ら(有期労働契約社員)と無期労働契約の正社員との間の賃金格差(平均して、正社員より21%減)(以下「本件相違」といいます。)は不合理であるとして、本件有期労働契約による賃金の定めが労働契約法20条に違反し無効であり、原告らには正社員に対する就業規則等が適用されることになるとして、被告に対して当該正社員に対する就業規則等により支給されるべきである賃金と、嘱託社員待遇で実際に支給された賃金との差額及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案です。

なお、正社員と原告ら有期契約社員の賃金体系は以下のとおりです。

正社員

有期契約社員(原告ら)

① 基準内賃金
・基本給(在籍給+年齢給)
・ 職務給
精勤手当
役付手当
住宅手当
・無事故手当
・能率給

② 基準外賃金
家族手当
・超勤手当
・その他の手当
・通勤手当

・基本賃金
・歩合給(7〜12%)
・無事故手当
・調整給
・通勤手当
・時間外手当
*正社員に支給される以下の給料・手当は不支給であり、賞与・退職金も不支給
・職務給
・役付手当
・精勤手当
・住宅手当
・家族手当

 

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