V.仮想通貨投資信託に係る主な法規制

1 投信法上の規制

まず、投信法上の「投資信託」に該当するためには、信託財産を主として「特定資産」に対する投資として運用することが必要となります(投信法2条1項・施行令3条)。しかしながら、仮想通貨自体は「特定資産」には該当しません

したがって、仮想通貨投資信託を投信法上の「投資信託」として販売するためには、主として仮想通貨以外の「特定資産」に対する投資として運用する必要があるものと思われます。

なお、信託法上、信託の対象は財産権に限られず、「財産」とされており(信託法2条3項)、仮想通貨も財産的価値が認められ、委託者の財産から分離することが可能である以上、「財産」として信託の対象となりうるものと思われます。また、信託業法上も受託可能財産は制限されていないため、法的には信託銀行や信託会社において仮想通貨の信託を行うことは可能と考えられます。

 2 改正資金決済法上の規制

主として仮想通貨以外の「特定資産」に投資する仮想通貨投資信託の販売は、あくまで「有価証券」の販売であり、仮想通貨の売買等ではないため、「仮想通貨交換業」に当たらず、改正資金決済法による規制対象とはならないものと思われます。 

3 改正犯収法上の規制

 金融商品取引業者は「特定事業者」であり、その行う業務全般が「特定業務」に該当するとともに、主として仮想通貨以外の「特定資産」に投資する仮想通貨投資信託の販売は「金融商品取引業」(金商法2条8項1号)として「特定取引」[1]に該当し、改正犯収法の規制対象となるものと思われます。

 4 金商法上の規制

 投資信託の受益証券は「有価証券」に該当する(金商法2条1項10号)ことから、主として仮想通貨以外の「特定資産」に投資する仮想通貨投資信託を組成・販売する場合、「金融商品取引業」のうち「第一種金融商品取引業」(金商法2条8項1号、28条1項1号)として許容されるものと思われます。

 したがって、主として仮想通貨以外の「特定資産」に投資する仮想通貨投資信託を販売する場合、金商法上の規制に留意する必要があります。

 5 銀行法上の取扱い

主として仮想通以外の「特定資産」に投資する仮想通貨投資信託の販売は、「金融商品取引業」に該当し、「金融関連業務」として許容されるものと思われます。

[1] 特定取引とは、預貯金契約の締結、為替取引その他の政令で定める取引をいい、金商法2条8項1号から6号若しくは10号に掲げる行為が該当する(犯収法別表下欄、犯収法施行令7条1項1号リ)。

 

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