II.労働時間法制

1.原則

労働時間については、労基法32条により、原則として1日8時間、1週40時間が最長労働時間として定められており、これに違反した使用者に対しては、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられることとされています(労基法119条1号)。

なお、労基法上の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下におかれている時間をいうものとされており(最高裁平成12年3月9日)、いわゆる「手待ち時間」も労働時間に含まれます。

2.例外−三六協定

使用者が、労働者の過半数で組織する労働組合又はそのような労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者との間で協定を締結し、これを労働基準監督署長に届け出た場合には、上記法定された最長労働時間を超えて、その協定の定めるところに従い、時間外・休日労働を行わせることができるものとされています(労基法36条。いわゆる「三六協定」)。

ただし、三六協定を締結すれば時間外労働が無制限に認められるというものではなく、平成10年労働省告示第154号(以下「上限告示」という。)により、三六協定において定める時間外労働について、その限度時間(以下「上限基準」という。)が設けられています

3.例外の例外−特別条項付協定

また、上限告示第3条において、あらかじめ三六協定の中で、上限基準を超えて労働時間を延長しなければならない特別の事情が生じたときは、労使当事者間において定める手続を経て上限基準を超える一定の時間まで労働時間を延長できる旨を協定(以下「特別条項付協定」という。)することによって、上限基準を超える時間外労働を定めることができるものとされています。

従来は、この特別条項付協定が抜け道となって、事実上、上限基準を超えた長時間労働が行われていたとも言われています。しかし、特別条項付協定における「特別の事情」は臨時的なもの、すなわち、一時的又は突発的に時間外労働を行わせる必要があるものであり、全体として一年の半分を超えないことが見込まれるものでなければならず、特別条項付協定を抜け道とした長時間労働が常態化しているような場合には、労働基準監督署の指導・勧告の対象となり得ます

 

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