I.はじめに〜長時間労働を巡る近年の動向

本年9月より、政府主導による「働き方改革実現会議」が開催されており、その中でも長時間労働の是正がテーマの一つとして大きく取り上げられているとおり、今後は、政府主導により過重労働等に対する一層の規制・取り締りの強化が予想されるとともに、長時間労働の問題に対する世論もこれまで以上に厳しいものとなりつつあります。

もっとも、このような長時間労働に対する規制は最近になって強化されるようになったものではなく、安倍内閣発足前後から議論されていたものです。

長時間労働を巡る近年の主な動向を整理すると、概要以下のとおりです。

【長時間労働を巡る近年の主な動向】

平成25年

6月14日

 

「日本再興戦略」
「労働時間法制の見直し」がテーマ
 実態調査・分析を実施した後検討開始、1年を目処に結論を出す

平成26年

6月24日

「日本再興戦略」改訂2014閣議決定
働き過ぎ防止のための取り組み強化の方針

6月27日

過労死等防止対策推進法施行

9月30日

厚労省:「長時間労働削減推進本部」設置

12月22日

 

 

「今後の長時間労働対策について」
過重労働撲滅チームによる、長時間労働事業所への監督指導の徹底

平成27年

4月1日

東京及び大阪労働局に「過重労働撲滅特別対策反」(かとく)発足

7月2日

ABCマート:労基法違反(上限超える長時間労働)で書類送検(かとく)

8月28日

フジオフードシステム:労基法違反(上限超える長時間労働)で書類送検(かとく)

11月16日

スタティックセキュリティー:労基法違反(上限超える長時間労働)で書類送検(大阪西)

11月9日

JCB:労基法違反(上限超える長時間労働)で書類送検(三田)

平成28年

1月28日

ドン・キホーテ:労基法違反(上限超える長時間労働)で書類送検(かとく)

3月22日

メーカー社長:外国人実習生を違法に長時間働かせたとして逮捕(かとく)

3月23日

政府:特別条項に上限を設ける案を含めて検討開始

4月1日

政府:立入調査基準を時間外労働80時間超へと引き下げ

4月21日

政府:残業時間を欧州諸国並みに削減する提言案をまとめる

9月27日

政府:「働き方実現会議」開始

10月14日

電通:新入社員が昨年末に過労自殺し労災認定を受けたことから労基署が立入調査実施

このように、長時間労働に対する規制強化は従前から検討されていた流れの一環といえます。

また、直近でも、新入社員が過労自殺し労災認定を受けたことを踏まえ、本年10月14日に電通本社に対して労基署が立入調査を実施したことが大きなニュースとなっていることから、今後さらに長時間労働に対する規制は強化されることが予想されます。

そこで、そもそも労働関連法が、長時間労働についてどのように規制しており、また違反した場合の制裁等について整理しておくことが有用と思われます。

 

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